クランフォード(Cranford)第2話のあらすじ イギリスドラマ エリザベス・ギャスケル原作

エリザベス・ギャスケル原作のドラマ「クランフォード」第2話の、心に残ったシーンやあらすじをまとめておきます。

※ 一部ネタバレしています!

目次

エピソード2: 1842年8月のあらすじ

レディ・ラドローのガーデンパーティの準備

レディ・ラドローは、イタリアにいる放蕩息子が静養を理由に今年もガーデンパーティに来ないことを知り残念がります。

日曜の朝、礼拝に集まったクランフォードの女性たちは、レディ・ラドローのガーデンパーティの話で盛り上がります。ジェイミーソン夫人はパーティのための馬車を整備中で「招待状はレディ・ラドローの従僕から直々に届いた」と少し誇らしげ。この手の会話は毎年してそう笑。マティも「パーティではバンド演奏があったり、美味しい軽食だけでなく、ここ数年はアイスクリームも出る」と楽しげです。

そして女性たちは、ロレンシアの帽子店でパーティ用の帽子についてあれこれと賑やか。彼女たちのおしゃべりは現代女性のそれと似ているかも笑。ロレンシアは町の女性たちとは異なるタイプで、騒がしさに少し辟易して一度奥の部屋に引っ込んでしまいます。もちろん止まらない女性たち。小声で「ロレンシアはおしゃべりに興味がない」「レースがついた服を着ているのを見たことがない」などと話します。

ロレンシアはレディ・ラドローの保護のもとハンブリー邸で育った経緯があり、マナーや教養が洗練されています。現代でいうところの、仕事ができて自立したタイプの人物でしょう。

女性たちは、ジョンソン氏の雑貨店でもドレス用の記事やパンフレットを見ながら騒がしい笑。ミス・ポールが「この色とても素敵」と生地を見せると、トムキンソン姉妹の姉が「それはルバーブ色ね(野菜の名前)」とチクリ笑。トムキンソン姉妹がパンフレットを手に「なんて素敵なドレス」と声を上げると、ミス・ポールが背後から笑、「若々しいソフィーならきっとよく似合うわ。彼女のウエストは杖のように細いから!」と仕返しします笑。

メアリーは、継母からの手紙で継母がガーデンパーティに来る予定だと知りがっかりします。

ハリソン医師は、家政婦のローズ夫人に「ガーデンパーティに招待されるのは名誉なこと」と言われても興味がなかったのに、ソフィーたちが来ると知り態度が急変します笑。

ハリソン医師に恋するキャロライン

キャロラインは店内から、馬に乗ったハリソン医師が通り過ぎるのを見かけます。その瞬間、彼女の心臓は高鳴り顔が火照ってきます。これはもうハリソン医師に恋をしている状態。しかし、当の本人は自分に何が起きているのか分からず、まわりの女性たちを慌てさせます。ハリソン医師に往診に来てもらい、キャロラインの思いはますます強くなります。

ガーデンパーティでは「また動悸がする」とハリソン医師を呼び、木陰で診てもらいます。しかし、ハリソン医師はソフィーの方向ばかりを気にしている笑。彼はキャロラインだけに付き添っているわけにもいかず、呼ばれてどこかに行ってしまいます。町に若い男性がいないのか?半ば引っ張りだこ状態です笑。

帰宅時にも「まだ回復したわけではない」とキャロラインは不満そうですが、ハリソン医師は「ごきげんよう」と通り過ぎる笑。彼は少しでもソフィーと一緒にいたいらしく、ソフィーの馬車の方に向かうのでした。

ゴードン少尉のプロポーズ

ブラウン大尉の家に、ゴードン少佐(アリスター・ペトリ―)が訪れることになり、デボラ、マティ、メアリーを招待がお茶に招待されます。スコットランド出身のゴードン少佐は、ブラウン家とは以前からの知り合いで、亡くなったジェシーの姉は、彼がロバート・バーンズの詩を朗読するのが好きだったといいます。

デボラの催促によりジェシーがピアノを弾き、ゴードン少佐とともに歌う「Loch Lomond」(スコットランドの歌)はとても美しい曲です。(「Loch Lomond」はスコットランドにある湖の一つ。「Loch」とはスコットランドで「湖」。スコットランドには「Loch ○○」という名前の湖が多数あります。ネッシーで有名な「ネス湖」は「Loch Ness」)

「true love」という歌詞のところで目が合う二人。愛の気配が漂います・・・。

後日、ジェシーはゴードン少佐からアネモネの花を贈られます。デボラたちは「アネモネの花言葉は何かしら」と花言葉の本を広げ、まるで占いに夢中になる少女たちのようにはしゃぎます。ジェシーには、ゴードン少佐からのプロポーズを一度断った過去がありました。母を亡くした直後に求婚されたものの、体の弱い姉の世話があったため断ったのです。

ゴードン少佐は2度目のプロポーズをします。彼のスコットランド訛りの英語が優しくて素敵です。差し出す指輪も素敵。

しかし、少佐はめ3週間後にインドへ旅立つと初めて知るジェシー。喪中であること、父を一人残してインドへ行けないと、また断ってしまいます。

ピアノに向かってしんみり座るジェシーに、「今日はピアノは弾かないよね?」と言う大尉。悲しいことに、大尉はジェシーが2度もプロポーズされたことを知らない様子。人情味のある父親なのですが、娘のことや女性の気持ちに気づかないようです・・・。

ハリーとカーター氏

ハリーは父親不在の家で、出産直後で体力を失った母親と赤ん坊を支えるために奔走。弟にフォレスター夫人の牛からミルクを取らせ、自らはレディ・ラドローの敷地でウサギを捕って食料を確保します。

ある日、父が帰宅し、ハリーの10歳の誕生日に革のブーツを持って帰ってきます(それまでは裸足・・・!)。ハリーがブーツを包んでいた新聞紙の文字を読むと、父は「我々に教育は必要ない」と新聞紙を取り上げてしまいます。

レディ・ラドローの敷地の仕掛けた罠を見に行くと、温室を見つけて中に入り、珍しい植物やブドウを見てそのまま眠ってしまいます。そこをカーター氏に見つかり、「何も触っていない」と説明しますが、カーター氏は「それは問題ではなく、不法侵入だ」と叱責。ハリーは「主の祈りには『我らの不法侵入を赦しなさい』とあります」と反論します。なぜそんなことを知っているのかと問われると、「教会で聞いたことがあるからです」と答えます。

カーター氏はハリーに仕事を提案し、ハリーはよく働いて気に入られます。カーター氏は仕事の後、アイスクリームを知らないハリーに初めてアイスクリームを食べさせ、ハリーはそのおいしさに満面の笑み。ハリーは仕事ぶりと知性を見込まれて読み書きを教わることに。

ガーデンパーティにて

ガーデンパーティでは大人も子供も楽しい時間を過ごします。マティの言うように、クランフォードの人々がアイスクリームに出会ったのはここ数年のことで、女性たちが口にした瞬間、少し戸惑う表情笑。

マティはホルブルック氏に声をかけられます。長年ぶりの再会でホルブルック氏はとても嬉しそう。マティも彼が去っていく姿を何度も振り返って見送ります。ここにも愛が漂っている様子・・・。(ホルブルック氏を演じるマイケル・ガンボンは、「ハリー・ポッター」シリーズのダンブルドア校長役)

一方、メアリーの継母は、独身のハリソン医師とメアリーの結婚を期待して二人をボートに乗せます。メアリーは特に何も起こらないので気にしないように言い、ハリソン医師はソフィーのことを好きなのではないかと尋ねると、彼は素直に認めます。

ガーデンパーティでソフィーと距離を縮めたハリソン医師。ところがその夜、ソフィーの弟が突然体調を崩し、懸命に治療を試みたものの命を救うことはできませんでした。それにより、せっかく近づいたソフィーとの関係は、再び遠ざかってしまいます。ハリソン医師とともに全力で看病を手伝うソフィーと、ただ祈るしかできなかった牧師の父の二人の対照的な姿が、印象的でした。

クランフォードに鉄道が!?

ところが、ミス・ポールとフォレスター夫人は、パーティーに来ていたチャールズ卿とロレンシアの会話から、クランフォードに鉄道が通る計画があることを偶然耳にします。

クランフォードは変化しないことを美徳と感じる女性たちは、鉄道という新しい技術に対して不信感や恐れを抱いていました。話を知らされた女性たちは、ブラウン大尉に詰め寄ります。一緒に暮らすジェシーでさえも、その話は知らなかったようです。「キャプテン・ブラウン!」「キャプテン・ブラウン!」と押し寄せる姿に、大尉もさぞ驚いたことでしょう笑。

大尉は女性たちをなだめるつもりで、鉄道が来た場合の利点を説明しますが、それは女性たちが聞きたいこととは正反対のことでした。デボラは「あなたはこのコミュニティを壊す中心人物です。ジェシーだけでなく私たちや町を裏切っている!私たちはもはや友達ではありません」と非難します。ああ、せっかく友達だったのに・・・。

ブラウン大尉が鉄道事業で長期にわたり家を空けると知ったジェシーも、自分の決断を悔やみます。「私だって結婚できたのに」と泣きじゃくりますが、大尉はジェシーが二度もプロポーズされていたことをまだ知りません。現代のようにすぐに連絡が取れるわけではありませんしね・・・。お父さん気づいてよ・・・。

その晩、デボラは寝室で息を引き取ってしまいます。

デボラがいつも座っていた椅子は空っぽになりますが、マティがひとりで暖炉の前に座る姿は美しい絵画のようです。

おわりに

ジェンキンス家ではカーペットの張り替えが行われていたようで、家具がさかさまに寄せられている光景にマティは驚き慌てます笑。キッチンの扉を開けると、ジェムや作業員たち、そしてメイドのマーサが賑やかにおしゃべりをする姿にマティはさらに驚きます。

「お茶はキッチンで飲めばよい」と落ち着いているデボラに対し、慣れ親しんだ習慣ではないためマティは大慌て。時代によって大変だと感じることは違うのですね笑。

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