クランフォード(Cranford)イギリスドラマ エリザベス・ギャスケル原作

「Cranford(クランフォード)」は2007年に放送されたイギリスのコスチュームドラマ(ピリオドドラマ)。1840年代のヴィクトリア時代、イングランド北西部チェシャー州にある小さな町のストーリーです。

エリザベス・ギャスケルの小説「Cranford」「My Lady Ludlow」「Mr Harrison’s Confessions」をベースに制作されています。2009年には続編として「Return to Cranford」(クリスマススペシャル)が放送されました。

エリザベス・ギャスケルは、ジェーン・オースティンやチャールズ・ディケンズほど広く知られてはいないものの、温かみのある人間ドラマ、人間の本質や社会の在り方を問いかける内容など、現代にも通じる普遍的なテーマが描かれることが多く共感しやすいです。

ギャスケルの「North & South(北と南)」「Wives and Daughters(妻たちと娘たち)」もお勧めです。

キャストも非常に豪華です:ジュディ・デンチ、アイリーン・アトキンス、フランチェスカ・アニス、イメルダ・スタウントン、ジム・カーター、マイケル・ガンボン、ジュリア・サワラ、フィリップ・グレニスター、アレックス・エテル、セリア・イムリー、アレックス・ジェニングス、ジュリア・マッケンジー、レスリー・マンヴィル、バーバラ・フリン、グレッグ・ワイズ、クローディ・ブラックリー、エマ・フィールディング、デボラ・フィンドレー、アリスター・ペトリー、サイモン・ウッズ、リサ・ディロン

歴史的な描写へのこだわり、魅力的な登場人物、コメディとドラマの絶妙なバランスが高く評価され、多くの賞を受賞しています(英国アカデミー賞(BAFTA)、エミー賞、ゴールデングローブ賞など)。

衣装は1840年代初期のビクトリア朝様式を忠実に再現しており、生地や色、仕立ての細部まで丁寧に制作され、時代感がとても豊かです(あちこちスクリーンショットを撮りたくなるほど笑)。登場人物の家、雑貨店、邸宅、オフィスといったセットは絵本のように魅力的で、観ているだけで満たされます。

脚本はハイディ・トーマスが担当。彼女のその他のよく知られる作品は「Call the Midwife(コール・ザ・ミッドワイフ)」「Upstairs Downstairs」「Ballet Shoes(バレエ・シューズ)」など。

オープニングのタイトルの背景には、ゆったりとした温かみのある弦楽中心のメロディと牧歌的な町の風景が流れます。(画像は引用目的で使用しています)

ジュディ・デンチ、アイリーン・アトキンス、ジュリア・サワラ、イメルダ・スタウントン、マイケル・ガンボン、フィリップ・グレニスター、フランチェスカ・アニス
目次

「クランフォード(Cranford)」あらすじ

あらすじは別のページでまとめています(作業中です)。

「エピソード1: 1842年6月」のあらすじ
「エピソード2: 1842年8月」のあらすじ
「エピソード3: 1842年11月」のあらすじ
「エピソード4: 1843年4月」のあらすじ
「エピソード5: 1843年5月」のあらすじ

「クランフォード」は「女だけの町―クランフォード」というタイトルで日本語翻訳されています。物語の冒頭で「女性が多い町」と紹介されますが、男性キャラクターも多く登場します。

クランフォード(字幕版)

登場人物(相関図的に)・キャスト

登場人物を相関図的にまとめています。()は役者名。

1. ジェンキンス家

デボラ・ジェンキンス (アイリーン・アトキンス):町の道徳的指導者で、礼儀や伝統を重んじる。意見は強いが、「いつも正しい判断をする」と町の女性たちから信頼されている。

マティルダ・ジェンキンス
(マティ) (ジュディ・デンチ):デボラの妹。温厚で優しく謙虚な性格で、姉の死と経済的困難をきっかけに、人生の転機を迎える。初めて自分の意思で行動するようになり、過去の恋心や人間関係に向き合い、変化に立ち向かう強さを持つ。

メアリー・スミス
(リサ・ディロン):ジェンキンス家の客。好奇心旺盛で思いやりがあり、知性と機転でクランフォードの潤滑油となる。ハリソン医師の助手をする度胸もあり、新しい価値観を持つ。

クララ・スミス
(フィンティ・ウィリアムズ):メアリーの継母。社会的地位を気にし、メアリーを地位のある人に嫁がせることに熱心。

マーサ
(クローディ・ブレイクリー):ジェンキンス姉妹のメイド。忠実かつ心優しい。後にジェムと結婚。マティを精神的にも実務的にも支え続ける。

ジェム
(アンドリュー・ブキャン):地域の大工。マーサと後に結婚。ハリソン医師の最新技術で助けられる。

ピーター・ジェンキンス
(マーティン・ショウ、ニコラス・ル・プレヴォスト):ジェンキンス姉妹の弟。長年インドで生活し、クランフォードに戻る。

トーマス・ホルブルック
(マイケル・ガンボン):クランフォード郊外の農場主。マティの過去の求婚者。マティのことを何十年も思っていた。

2. 医療関係者

モーガン医師(ジョン・ボウ):長年クランフォードの医療を担ってきた保守的な医師。当初は若いハリソン医師の新技術に懐疑的だった。

フランク・ハリソン医師
(サイモン・ウッズ):ロンドンで研修を終えたばかりの若く革新的な医師。最新技術を用いて手術を成功させクランフォードに新風を吹き込む。新しい価値観を持ち、町人の誤解や噂によるロマンスのトラブルに巻き込まれる。牧師の娘ソフィー・ハットンに一目ぼれする。

ローズ夫人
(レスリー・マンヴィル):ハリソン医師の家政婦。世話好きで謙虚な女性。ハリソン医師が誤って購入したソーイングテーブルが原因で面倒なことに。

ジャック・マーシュランド医師
(ジョー・マクファデン):ハリソン医師の友人で、陽気で社交的。彼のユーモアが街の女性にトラブルを起こしてしまう。

3. ハンベリー家と関連人物

レディ・ラドロー(フランチェスカ・アニス):ハンベリー邸の伯爵未亡人。保守的であり、厳格に貴族的価値観と階級制度を重んじる。貧しい子供への教育に反対していたが、カーター氏の影響で徐々に考えを改める。放蕩息子のセプティマスに失望しながらも、家名と財産を守ろうとする。

カーター氏
(フィリップ・グレニスター):レディ・ラドローの地所管理人。実務的で理知的な人物。ハリーの才能を見抜き、指導をする。死後も、彼の遺志がハリーの人生に大きな影響を与える。

ロレンシア・ガリンド
(エマ・フィールディング):帽子職人。準男爵の娘であり、レディ・ラドローの保護下で育った経緯がある。町の女性たちとは違い、独立心の強く、カーター氏の教育支援に賛同し、後にハリーの後見人のような存在に。

セプティマス・ハンベリー
(ロリー・キニア):レディ・ラドローの放蕩息子。イタリアで浪費を重ねる。ハンベリー家の土地を売却を試み、「紳士協定」を利用してハリーを騙そうとするが、ロレンシアに阻止される。

チャールズ・モールヴァー卿
(グレッグ・ワイズ):治安判事。鉄道建設を推進する政府関係者であり、レディ・ラドローと貴族としてつながる。町の行政を監督。

ハリー・グレグソン
(アレックス・エテル):貧しい家庭に育つが、カーター氏の支援で教育を受ける機会を得る。将来を期待される若者として、階級を超えた可能性の象徴。

ジョブ・グレグソン
(ディーン・レノックス・ケリー):ハリーの父で、労働者階級の厳しい現実を体現する人物。息子の教育に対して複雑な感情を抱く。家族を支えるために密猟で捕まり、レディ・ラドローの計らいを受ける。

4. ブラウン家

ブラウン大尉(ジム・カーター):退役軍人で、娘の療養のためにクランフォードに家族で移住。当初、町の女性たちの社交儀礼を軽んじるような言動で反感を買うが、誠実で他人を思いやる姿勢によって受け入れられていく。鉄道の敷設・駅設置に関わるようになり、また女性たちと対立することに。

ジェシー・ブラウン
(ジュリア・サワラ):ブラウン大尉の娘。控えめで家族に忠実であることが原因で、ゴードン少尉のプロポーズを2度も断ってしまう。

ゴードン少尉
(アリスター・ペトリー):ブラウン大尉の友人。ジェシーを長年慕ってきた。

5. ハットン家

ハットン牧師(アレックス・ジェニングス):クランフォードの牧師で、ソフィーの父。

ソフィー・ハットン
(キンバリー・ニクソン):ハットン牧師の娘。母がいないため、彼女が妹や弟の世話をしており、特に弟ウォルターは生まれた時から面倒を見てきた。ハリソン医師に気に入られる。

6. その他の村の女性たち

オクタヴィア・ポール(ミス・ポール)(イメルダ・スタウントン):情報通でおしゃべり好きな独身女性。町のゴシップをいち早くキャッチし、周囲に広める役割を担います。

フォレスター夫人
(ジュリア・マッケンジー):優しく穏やかな性格で牛をペットとして愛する未亡人。ミス・ポールと親しい。ブラウン大尉宅の集まりですばらしい歌唱力を披露。

オーガスタ・トムキンソン
(デボラ・フィンドレイ):独身女性で姉妹で暮らしている。礼儀正しく控えめ。妹のキャロラインをいつも気にかけている。ミス・マティを励ますためにクリスマス・イブにささやかなパーティを開く。

キャロライン・トムキンソン
(セリーナ・グリフィス):オーガスタの妹。ハリソン医師に恋をし、彼からプロポーズされたと勘違いし、ちょっとした騒動になる。

ジェイミソン夫人
(バーバラ・フリン):格式を重んじる上流階級の女性で、村の女性たちとはよく交流するものの、いつでも階級の違いを意識している。レディ・グレンマイアの結婚に激怒する。

レディ・グレンマイア
(セリア・イムリ―):気品ある未亡人で、ジェイミソン夫人の義理の妹。ブラウン大尉と極秘結婚し、町に波紋を広げる。

視聴方法など

「クランフォードは」アマゾン・プライムで視聴できます。(クランフォード(字幕版)

私のDVDはイギリスで購入したもので英語の字幕がついています。登場人物のほとんどがきれいな英語なので聞いていて心地よいです。

クランフォードDVDと本

エリザベス・ギャスケルの家

また、マンチェスターには「エリザベス・ギャスケルの家」があり、中心部からおよそ30分ほどの場所にあります。

https://elizabethgaskellhouse.co.uk/
Elizabeth Gaskell’s House
住所:84 Plymouth Grove, Manchester, M13 9LW

おわりに

「クランフォード」は、何度も観てしまうほど大好きなドラマです。

未婚女性や未亡人が中心のコミュニティで、彼女たちの友情や助け合い、日常の些細な出来事に対する反応や会話はユーモラスで愛情にあふれていて、観るたびに満たされた気分になります。また、鉄道の開通や医療の進歩、新しい文化や食生活など、新しい価値観を受け入れようとする彼女たちの勇気にも胸を打たれます。ハンベリー家とその周辺のキャラクターが、階級・教育・財産・道徳の問題を経験する姿も印象的です。それぞれのキャラクターが個性的で共感できるところも素晴らしいと思います。

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