Calendar Girls(カレンダー・ガールズ)中年女性たちのヌードのチャリティカレンダー 実話をベースに

「Calendar Girls(カレンダー・ガールズ)」は、2003年公開のコメディ映画(イギリスとアメリカの合作)。1999年、イギリス・ヨークシャー地方の「Rylstone and District Women’s Institute」のメンバー11人が制作したヌードチャリティーカレンダーの実話に基づきます。

イングランド北部に暮らすアニーの夫が白血病で他界し、病院の待合室のソファ購入資金の寄付を募るため、地元の女性たちとヌードカレンダーを作成します。

撮影地の一つである北ヨークシャー・ケトルウェル(Kettlewell)景色が美しいです。

監督ナイジェル・コールの他作品は「ドクター・マーティン」「Saving Grace」「Made in Dagenham」など、脚本のティム・ファースは「キンキー・ブーツ」も手がけています。

キャストはヘレン・ミレン、ジュリー・ウォルターズ、ペネロピ・ウィルトン、セリア・イムリー、リンダ・バセット、アネット・クロスビー、フィリップ・グレニスター、ジョン・オルダートンと豪華。

オープニングタイトルにはアニーの夫ジョンが好きだったひまわりが添えられています(WIメンバーたちのアメリカ遠征では、黒いドレスにひまわりのコサージュをつけていました)

ヘレン・ミレン、ジュリー・ウォルターズ、リンダ・バセット、アネット・クロスビー、セリア・イムリー、ペネロープ・ウィルトン、フィリップ・グレニスター、ジョン・アルダートン
目次

Calendar Girls(カレンダー・ガールズ)あらすじ

北ヨークシャーの架空の村「ネイプリー(Knapely)」の婦人会「WI(ウィメンズ・インスティテュート)」に参加するアニー(ジュリー・ウォルターズ)とクリス(ヘレン・ミレン)。WIの目的は「学び、楽しさ、そして友情」であるとこと。集会は「エルサレム」の合唱から始まり、周辺地域から招かれたスピーカーの講話を聞くのが定番で、明らかに飽きている二人笑。牛乳販売委員会の歴史やブロッコリーの研究などの話題の中から、なんとか面白いポイントを見つけて二人で密かにくすくす笑うしかない笑。

そんなクリスは、WIの展示会的なイベントのビクトリアスポンジケーキ部門で優勝。ところがケーキは自作ではなく、M&S(マークス&スペンサー)で購入したもの。審査員からスポンジの軽さのコツやテクニックを質問されると、「母の助言の一つで、特別なイベントにはM&Sで」と悪びれもせず白状してしまいます。さらに、WIが毎年制作するカレンダーの話題になると、「今年はジョージクルーニーを使ってほしい」などと冗談を言います。

一方、アニーの夫ジョン(ジョン・アルダートン)が白血病で亡くなります。ジョンは生前、WIから講演を依頼されており原稿を用意していました。クリスはWIの集会で、その原稿を代読します。

「ヨークシャーの花は、ヨークシャーの女性たちのようだ。どの段階でも違った美しさがあり、特に最後がとても壮麗だ。あっという間に種をつけてしまうが。私の好きな花はヨークシャーどころか、イギリス原産でもないひまわりだ。ひまわりほど地球上で生命を謳歌するものはないだろう。ひまわりは太陽を追うーどんなに弱い光でも見つけるのだ。それは素晴らしいことであり、人生における教訓でもある」素晴らしい内容です。

ジョンを訪ねて病院に通っていたクリスは、自動車修理工場で見かけたモデルカレンダーからひらめきます。病院の待合室のソファの座り心地の悪さに悪態をついていた彼女は、婦人会で作っているカレンダーの売り上げを、アニーのためにも、古いソファを買い替える資金にできないかと考えたのです。

ただし今年は、自分たちがモデルになったヌード・カレンダー。太極拳を一緒に練習している仲の良い女性たちに話すと、もちろん驚き反対するメンバーもいれば賛成意見もありました。

写真撮影をしてみるが

とりあえずクリスの家で写真撮影をしてみる有志たち。しかしカメラの使い方もままならず、クオリティは素人そのもの。ポージングもほぼ遠く、どこかのキッチンの中年女性の着替え風景のような写真で、撮られた本人たちも驚いている笑。

そんなときに帰ってくるのが年頃の息子で、しかも友達も一緒。こんなときのアニーたちの表情が秀逸で、元教師のジェシー(アネット・クロスビー)は後ろを向いてしまい、ルース(ペネロピ・ウィルトン)は固まってしまいます。息子は無言で部屋へ向かい、友達は立ち尽くしている笑。クリスは「やっちゃったわ」という顔。子どもたちが学校帰りによく立ち寄る「Cow and Calf Rocks」からの景色が壮観です。

岩の上にいる子供たち

クリスが写真を現像に出した薬局では、中身を見て笑っている女子店員。今では考えられないですが、当時の写真の入った封筒はオープンで、お店の人が中身を見ることもも珍しくなかったと思います。さすがにここはプロに任せた方がよいということになり、アニーの夫が入院していた病院の職員でアマチュア写真家をしているローレンス(フィリップ・グレニスター)に依頼します。

ローレンスは、カレンダーの写真は従来のWIのカレンダーと同じく、地元での伝統的な活動「ジャム作り、お菓子作り、パン作り、編み物、ピアノ演奏」などをテーマに、その中にメンバーのヌードをさりげなく入れて、12月は女性全員がクリスマスキャロルを歌う集合写真という構成を提案。女性たちはこの提案に賛成します。

しかしWIの集会では、支部長(ジェラルディン・ジェームズ)が一部のメンバーが独自の活動をしていると聞きつけ、WIの評判を汚すようなことをしないよう警告します。クリスとアニーはカレンダー製作について説明すると「裸なんてけしからん。またクリスの思いつきだろう」的な剣幕で反論されます。

「裸じゃない、ヌードだ」「ヌードはアートだ」と有志のメンバーたちも援護し、クリスはこの活動は純粋にジョンのためであってそれ以外の目的はないと訴えます。これに心を動かされた他のWIのメンバーも立候補し、結果として11人のモデルが集まることに。

撮影の日、セリア(セリア・イムリー)の家に次々と集まるメンバーたち。ワイン持参で女子会のようで楽しそうです。

しかしカメラマンが男性ということで最初は撮影がうまく進みません。ローレンスは中年女性たちのおしゃべりに圧倒され、アートだと理解していても、ヨークシャーの田舎の主婦たちはヌードになることに戸惑います。シャッターを切るときだけローレンスが入室する方法だとメンバーたちがワチャワチャするため彼のイメージ通りに行かない。最終的にローレンスが最初から立ち会ってモデルに細かく指示を出して撮影することに。(「クランフォード」の厳格なカーター氏役のフィリップ・グレニスターが、ここでは繊細なカメラマン姿なのがいいですね)

撮影された写真はセピア色で、ジョンの好きだったひまわりだけが色づいて目立っています。女性たちの表情も生き生きとしていてとても良い仕上がりです。
不安のせいか女性たちの夫はパブに集まり、飲みながら時間をつぶしています笑。

カレンダーの売り上げは

カレンダー制作に反対するWI支部長は、何とか中止させようと画策。やっとスポンサーを見つけて印刷の段階まで進んでいたメンバーたちはいらだちます。クリスは「婦人会」という名称が使えないなら使わないだけのこと、しかしそれではケーキの後ろに怪しげに立つ中年女性の集まりじゃないかと悪態をつきます笑。

クリスとアニーは全国婦人会連盟の年次総会に乗り込み、委員長や大勢の出席者に向けて許可を求めます。二人に驚くネイプリーの支部長笑。連盟側はチャリティ活動は支援するという立場を示し、最終的な判断を支部長に委ねます。支部長は渋々ながらカレンダーの販売に同意します。

メンバーの期待と不安をよそにカレンダーは大反響。地方紙だけでなく全国紙などのメディアでも大きく取り上げられ、村にはリポーターが押し寄せ、メンバーたちは時の人に。最初に注文した500部はすぐに完売し、追加注文が必要になります。

メンバーたちは全国から激励の手紙を山ほど受け取ります。特にアニーのもとには似た経験を持つ人々からの手紙が届き、カレンダーを手にして気持ちが救われたこと、亡くなった家族を思い出したことなどが書かれており、アニーの心に寄り添います。支部長も取材されていて、彼女はクリスの発言を一部拝借してコメントしてる笑。

メンバーたちの家族の反応はさまざま。多感な年頃のクリスの息子は母親のカレンダー姿に反感を抱き、クリスが忙しくなったことで彼女の夫は仕事に追われます。カレンダーの存在をメディアから知ったルースの夫は激怒して家を出てしまいます。ルースが夫の出張先のホテルに電話をかけると、部屋には女性がいることを知るのです・・・。

そしてカレンダーの大きな反響ぶりに、メンバーたちはハリウッドから招待を受けます。

アメリカ進出?!

アメリカに発つ直前、クリスは家族の問題でイギリスに残ることに。

ルースは夫の出張先のホテルに突撃して浮気現場を押さえます。「私はハリウッドに行くから、あんたたちはこのホテルで楽しめばいい」と言い放ちホテルを出ていくルース。浮気をする人ってどこの国でも似たようなものですね。

空港に集まるメンバーたち。こちらまでワクワクしてきます笑。

「こちらはデスクが違います」と言われると、普段から苦情に長けているのか、ジェシーが後ろからずいと乗り出し落ち着き払って「数人のスタッフに聞いた、20分も待っている」事情を説明。彼女たちの席はアッパークラスなので並ぶ必要はなかったと知らされ、チェックインが始まります。途端にスタッフについて「なんて素敵な娘でしょう」「いい娘だって知ってたわ」と言い始めるメンバーたち笑。ハリウッドでの滞在も、それぞれにマスタースイートが用意されてかなり快適です。

すると、ほどなくして到着したクリス。クリスの夫(キアラン・ハインズ)は、話しかけてきた男性が記者だと知らずにプライベートなことを話してしまい、それがゴシップ記事に(クリスは1月のカレンダーのモデルだったため、夫は記事の中で「Mr January」と書かれます)。クリスは腹を立ててアメリカへ来たのです。

アニーは家の問題に向き合うべきだったのではないかと指摘。また、カレンダーのプロモーションやアメリカでのCM撮影が当初の目的から少しずつ離れていることに疑問を抱きます。ハリウッドでも手紙の返事を書き続けるアニーとクリスは対立してしまいます・・・。

おわりに

実際のライルストンWIのカレンダー(1999年発売)は、当初の目標5,000ポンドに対して爆発的に売れ(88,000部販売)、これまでに累計で600万ポンド以上(約10億円超)をBlood Cancer UKへ寄付しています。現在も、映画・ミュージカル・続編カレンダー・寄付イベントにより継続的に寄付中とのこと。

ヨークシャーの美しい景色の中でメンバーたちが一緒に太極拳をする姿は爽快感があります。練習おわりのアニーの「チップス食べにいかない?」がイギリスらしくて良いですね笑。

クリス役のヘレン・ミレンは、イギリスを代表する女優。「ゴヤの名画と優しい泥棒」のぶっきらぼうな妻ドロシー役や、「ゴスフォード・パーク」の暗い過去を抱えたウィルソン夫人役など、多数の作品に出演しています。

アニー役のジュリー・ウォルターズは「リトル・ダンサー」の熱血ダンス教師役や「ハリー・ポッター」シリーズのモリー・ウィーズリー役、「マンマ・ミーア!」「パディントン」シリーズ、「Personal Services」「ドライビング・レッスン」など多数の作品に出演。

集会でのピアノ担当をするコーラ役のリンダ・バセットは名脇役女優。「コール・ザ・ミッドワイフ」「dinnerladies」で安定した存在感を示し、「Lark Rise to Candleford」では古い民間信仰に通じた村落の女村長クイニー役を演じています。

引退した教師ジェシー役のアネット・クロスビーは、スコットランド出身のベテラン女優。シットコム「One Foot in the Grave」のマーガレット役で国民的アイコンとなり、歴史ドラマやコメディで長年活躍。「海賊じいちゃんの贈りもの」のドリーン役。「クランフォード」のキャロライン役のセリア・グリフィスは彼女の娘にあたります。

セリア・イムリーはコメディの女王格で名脇役女優でもあります。シリアスな役からユーモアあふれる役柄まで何でもこなし「輝ける人生」のビフ役、「クランフォード」のレディ・グレンマイア役、「聖トリニアンズ女学院」のマトロン寮母役、「海賊じいちゃんの贈りもの」のソーシャルワーカー役など多数に出演。70年代のシットコム「To the Manor Born」で若い頃の姿を見ることができます(画像あり。可愛いです)。

ペネロピ・ウィルトンは英国舞台・TVの名女優。「ダウントン・アビー」シリーズのイゾベル役、「ガーンジー島の読書会の秘密」のアミリア役、「妻たちと娘たち」のハムリー夫人役、70年代のミニシリーズコメディ「ノルマン・コンクエスト」では初々しいアニー役を演じています。

フィリップ・グレニスターは、「クランフォード」で厳しいけれど貧しい少年ハリーに教育を支援する正義感のあるカーター氏で登場。クリスの夫役のキアラン・ハインズは、「ハリー・ポッター」シリーズのアバーフォース・ダンブルドア役。アニーの亡くなった夫ジョン役のジョン・アルダートンは、長年活躍したベテラン俳優で、特に1970年代のコメディとドラマで人気を博しました。(妻のポーリーン・コリンズは「From time to time」のトゥイーディー夫人役)

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