ミスタービーン(Mr. Bean)のクリスマス(七面鳥・クラッカー・ハロッズ・彼女)

ミスタービーン(Mr. Bean)は、映画が世界的に有名で人気ですが、私はイギリスのテレビで放映された初期のシリーズのほうが好きです。

映画「Mr Bean’s Holiday」を観た後、テレビシリーズのDVDを購入して観ました。映画と同じく、テレビシリーズも楽しいフィジカル・コメディですが、こちらのほうがミスタービーンの皮肉や卑屈さが際立っていて面白いと感じました。さらに、映画よりもミスタービーンがしゃべっている場面がいくつかあり(単語レベルですが笑)、驚いた記憶があります。

レストランや施設で自分の名前を伝えるときに「Bean」と言うシーンは映画にもありますが、テレビシリーズでは、さらに彼女と会話する場面も(単語レベルです笑)ありました。

ここでは、「ミスタービーンのクリスマス」について紹介します。
(※ネタバレしています!)

目次

ミスタービーンのクリスマス(Merry Christmas, Mr. Bean)

このエピソードは約30分で、1992年12月29日に放送されました。
ミスタービーンがクリスマスの準備をしたり、買い出しに出かけたりする様子が描かれています。

私は家族と何度か観ましたが、クリスマスシーズンになるとまた観たくなるほどお気に入りです。家族全員で大笑いしたシーンもあれば、私だけが大ウケして家族が引いてしまったシーンもあります。 

「ハロッズ(Harrods)」にて

クリスマスのショッピングをしに車で出かけたミスタービーン。
イギリスの高級デパート「ハロッズ(Harrods)」の入り口の前に、かなり雑に駐車します。駐車場なんてないのでかなり邪魔です。

店内でクリスマスツリーの飾りを物色していると、ツリーに飾るオーナメント(イギリスでは「Bauble:ボーブル」と呼ばれています)を見つけます。
金色と赤を手に取り、どちらを買おうか迷ったミスタービーン。
どういうわけか、それらを落として判断することに笑。

金の玉は勢いよく弾みましたが、赤い玉は割れてしまいました。
割れやすいオーナメントってありますよねー。

結局、弾んだ方のオーナメントに決めたものの、購入するのは1個だけ。
普通は何個かセットで買うものだと思いますが・・・。

現在のハロッズでは常設の「クリスマス・ワールド(Christmas World)」というエリアが設けられていて、年中華やかなクリスマス関連の商品を楽しむことができます。

ハロッズのクリスマスライトアップ

次に見つけたのは、クリスマスツリーに飾る電飾でした。
私がこういったものを購入するときには「どのように点灯するのか」「ちゃんと点くのか」と、ちらりと気になります。ミスタービーンも同じことを考えたようです。

彼は店内でコンセントを探し回り、ようやく見つけました。
そこに差さっていたプラグをさっと抜き、自分が持っていた電飾のプラグを差し込んで試してみます。

すると、実は彼が抜いてしまったプラグは、ハロッズの外観をライトアップするためのものだったようです。
その結果、ハロッズの建物全体が突然真っ暗になってしまいました。

ハロッズは、毎年クリスマスシーズンになると美しいイルミネーションで建物を飾ることで有名です。
このライトアップを見に、多くの観光客が訪れるほどの名物になっています。

そんな名物を、たった1人の買い物客が勝手に「オン」「オフ」で真っ暗にしてしまったらさすがに驚きますよね。 

ディスプレイの人形で遊ぶミスタービーン

家族が引いてしまうほど、私が大ウケしたシーンです。
今観ても笑ってしまいます。

クリスマスの時期になると、あちこちで見かける「Nativity(イエス・キリスト誕生のシーン)」のディスプレイ。
店内でそれを見つけたミスタービーンは、遊び始めます。

そしてミスタービーンによる以下の人形劇が始まります:

生まれたばかりの赤ちゃん(イエス)は静かに寝ています。
両親(ヨセフとマリア)は、新生児を起こさないよう静かにしています。

ところが、一緒にいた牛が鳴きます。
ミスタービーンが「モー」と鳴きます。

「しーっ」とたしなめるヨセフ。

次に、馬が鳴きます。

「しーっ」とたしなめるマリア。

東方の三賢者の1人が「ゴホン」と咳をすると、他の2人がそろって「しーっ」とたしなめます。

赤ちゃんが寝ているときは、静かにしてほしいですよね。その気持ち、よく分かります。切実です。
しかも、これは「キリスト誕生」。安らかで神聖で、美しい場面であってほしいものです。

ところが、次に軍隊のパレードが高らかに音楽を演奏しながら通り過ぎようとします。
ヨセフはイライラしながら「しーっ」とたしなめ、パレードが通り過ぎるまでにらみ続けます。

その後も、うるさい羊の群れ、羊飼い、牧羊犬、羊を運ぶトラックまでやってきます。はぐれた子羊が「メー」と鳴きながら追いかけてきます。
さらには、ドクター・フーのダーリックが登場したり、恐竜が侵入してマリアを驚かせたり、戦車と恐竜が戦い始めたりします。

最後には、U字の磁石をぶら下げた天使が飛んできて、イエスを磁力でくっつけて連れ去ていきます・・・。

これは実際に観たほうが面白いので、ぜひ一度チェックしてみてください。

ミスタービーンの彼女「イルマ」

イギリスではクリスマス時期(11月ぐらいから始まる所も)になるとクリスマスマーケットがあちこちで開かれる。
ミスタービーンは、外で開かれていたクリスマスマーケットに行きます。
そこで彼女のイルマと出くわします。

イルマはミスタービーンをショーウィンドウまで連れて行って、
「クリスマスにはあの指輪が欲しい」
と、指さしてねだります。

「うん、分かったよ!」
と店の中に入っていくミスタービーン。

ところが・・・(何が起こったかは後述しています)。

クリスマスツリー

ミスタービーンは、生の木のクリスマスツリーを買おうと列に並びます。
しかし、ちょうど彼の順番が来たときには、すでに売り切れてしまっていました。
もっと早く買っておけばよかったのですが、やはりクリスマスにはツリーが欲しいです。

近くの広場では、合唱団がクリスマスソングを清らかに歌っています。
すると、なぜか合唱団の後ろにある大きなクリスマスツリーが揺れ始めます。
まるで木こりが木を切っているかのような動きです。

その後、ミスタービーンのミニクーパーが電飾をつけたままのツリーを積んでその場を去っていきます。

クリスマスカード

ミスタービーンは、クリスマスカードを何通も書いています。友達や知人に送るため、忙しそうです。そして、書き終えたカードを持って外へ出かけます。

投函するのかと思いきや、ポストには向かいません。自分のドアのレターボックス(郵便受け)に次々と入れていきます。
そして部屋に戻り、「ワオ、こんなにカードが届いているよ!」と喜びながら、それらを部屋に飾ります。

しかし、すでに部屋には同じカードばかりが並んでいました。つまり、誰からもカードをもらえていない・・・ということです。
それを見ながら、私の旦那は「Ohhh」と憐れむような声を漏らしていました(でも笑っていましたが)。

クリスマス・クラッカー

海外のクリスマスで定番の「クリスマスクラッカー」。

クリスマスディナーの席で、家族や友達同士でクラッカーの両端を引っ張ります。「パン」という音がしてクラッカーが破けるのですが、中には薄い紙でできた王冠スタイルの帽子、小さな紙に書かれたジョークやクイズ、小さなおもちゃが入っています。帽子をかぶったり、ジョークを読んだりして遊んだりします。クラッカーはクリスマスの時期になるとあちこちで販売されていて、大きさや値段など種類もさまざまです。

ミスタービーンは、いつ購入したのかわからない埃をかぶったクラッカーを収納棚から取り出して、一人で引っ張ってみます。でも、湿気っていたのか、あまり大きな音がしませんでした。

そこで、彼はクラッカーの中から「スナッパー」という音を出すテープを取り出し、他の古いクラッカーからも同じテープを集めます。そして、それらを一つにまとめて、大きな音がするクラッカーを自作してしまうのです。イルマが訪ねてくる予定があるので、二人で引っ張るつもりのようです。

ところが・・・(これも後述しています)

クリスマス・キャロル

海外のクリスマス時期になると、子供たちが玄関先にやってきてクリスマスソングを歌う「クリスマスキャロル」という慣習があります。
ドアを開けた大人は、それに対してコインやお菓子を振る舞います。

夕方、テレビを観ていたミスタービーン。
しかし、戦争映画やホラー映画ばかりが放送されていて、うんざりしてしまいます。
そんなとき、自分の部屋の前にも子供たちがやってきて歌っていることに気づきます。

「クリスマスはこうでなくちゃ」と思ったのでしょうが、ドアの前で歌う子供たちを前に、一人掛けのチェアにどっかり座り、チョコレートとワインを堪能しながら鑑賞します。
やがて歌に飽きてきたミスタービーンは、チョコレートの箱を持ってドアに近づきます。

「やっと子供たちはチョコレートをもらえるんだね」

子供たちだけでなく、多くの視聴者もそう思っていたでしょう。
それなのにミスタービーンは歌の終わりのちょうどいいタイミングでドアを「バタン!」と閉め、持っていたチョコレートの箱を近くに置いただけでした。

ひどい笑。

ローストターキー

ミスタービーンはクリスマスには定番のローストターキーを準備します。

シーズンが近づくと、お店には丸ごとのターキー(七面鳥)が並び、大きさもさまざまです。家庭のサイズに合ったものを選んで購入するのが一般的です。ところが、ミスタービーンが用意したターキーはかなり大きなサイズです。誰が食べるのか、またその巨大なターキーが果たしてオーブンに入るのかは謎です。

ミスタービーンは、七面鳥にスタッフィング(stuffing:詰め物)をしていきます。ところが、七面鳥の奥に手を入れたとき、うっかり腕時計が外れてしまい、それを見つけられなくなってしまいます。のぞき込んで探そうとしたら、今度は頭がスッポリ入ってしまい、七面鳥をかぶった状態になってしまいました。

七面鳥をかぶるシーンは、有名なシットコム「フレンズ」でも見られます。ジョーイとモニカが同じようなことをしていましたね。でも、放映時期を考えると「Mr.ビーン」の方が先です。つまり、「Mr.ビーン」が元祖ということになります。もしかしたら、世界中でこういうことをする人が意外と多いのかも笑?

困り果てたミスタービーンは、結局イルマに助けを求めようと、七面鳥を切るためにノコギリを持ち出します。
七面鳥をかぶった彼の姿を見たイルマは、まるで怪物が自分を切り刻もうとしているように感じてしまい、驚きのあまり卒倒してしまいます。

ミスタービーンのプレゼント

クリスマスにイルマからプラモデルをプレゼントしてもらったミスタービーンは大喜びです。

昨日、マーケットで会ったイルマは、指輪が欲しいとほのめかしていました。でも、ミスタービーンが渡したクリスマスプレゼントは、なぜか「大きくて平たい」ものでした。
不思議に思いながら包みを開けてみると、そこには知らないカップルの写真が入っていたのです。

そう、それは昨日見たショーウィンドウで、指輪の後ろに飾られていたディスプレイ用の写真だったのです。

がっかりして泣き出してしまうイルマ。
それを見て、「どうしたの?」と心配するミスタービーン。

すると彼は、「ああ、そうか!これだね!」と言って、ポケットから指輪が入っていそうな小さな箱を取り出します。イルマは歓喜に満ちた表情で包みを開けます。

「これは…指輪?」

一見すると指輪のように見えました。
でも、いざ取り出してみると、それはさっきのカップルの写真を壁に掛けるための金具だったのです。

クリスマス・クラッカー再び

イルマは、「Mistletoe(宿り木)」の枝を持ってきていました。
海外では、Mistletoeの下にいる男女がキスをするというロマンチックな慣習があり、彼女はミスタービーンとそんな素敵なひとときを過ごしたいと期待していたのです。

ところが、ミスタービーンは「Mistletoe」の意味すら知らない様子。
欲しかった指輪ももらえず、がっかりした彼女はそのまま帰ってしまいます。

一人残されたミスタービーン。

ふと、イルマと一緒に引っ張ろうと思っていたクリスマスクラッカーがあったことに気づきます。

「Merry Christmas, Mr. Bean(メリークリスマス、ミスタービーン)」

そうつぶやきながら、彼は一人でクラッカーを引っ張ります。

すると次の瞬間、画面はミスタービーンの窓の外に切り替わり、彼の部屋に閃光が走ります。
自作したクラッカーは小爆発を起こしてしまったようです。

スナッパーの量が多すぎたみたいですね笑。

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