ワーキング・ガール(Working Girl)あらすじ、主題歌

「Working Girl(ワーキング・ガール)」は1988年のアメリカ映画。
ベイビーボイスがキュートなメラニー・グリフィス、若くてハンサムなハリソン・フォード、若々しい魅力のシガニー・ウィーバー、そして、悪の香りが漂ってきそうなスリムなアレック・ボールドウィン(今とは大違い!)が出演しています。

アシスタントのテスは、上司にビジネスアイデアを盗まれたことに気づき、自分の力でチャンスを掴もうと行動を起こします。身分や学歴の壁、性差別のある職場の中でキャリアアップしていきます。

オープニングタイトルでは、自由の女神をぐるっと回った後ろ姿が映されます。テーマ曲「Let the River Run」はカーリー・サイモンが作詞・作曲・歌唱を担当しており、流れるメロディと歌詞はアメリカや主人公テスの成長と夢の実現を象徴しているかのようです。この曲はアカデミー賞主題歌賞も受賞しています。

また、オープニングやエンドロールでは、後に崩壊することになるワールドトレーディングセンターも見ることができます。

(画像は引用目的で使用しています)

※ ネタバレしています!

目次

「Working Girl(ワーキング・ガール)」

スタテン島に住むテス・マクギル(メラニー・グリフィス)は、毎朝大型フェリーでマンハッタンの証券会社に通勤しています。
毎朝一緒のシンシア(ジョーン・キューザック)とともに、80年代らしいウェービーでボリュームのあるヘアスタイルに、肩パッドの入ったコートが印象的。

テスは誕生日でさえ、昼休みや仕事後にスピーチクラスやマージマーケットのセミナーに参加しています。大勢の人が働く広いオフィスに着くとテスはスニーカーから仕事用のパンプスに履き替えます。
黒地に緑色の文字だけが表示される端末や電話が並ぶオフィスが懐かしいです。

アシスタントのテスは、女性であることや学歴が低いことから、男性上司たちは彼女の価値を認めないどころか軽くあしらってきます。彼女はその環境に疑問と不満を持っています。ほかのアシスタントたちは指示されたことだけをこなす雰囲気で、テスとは温度差があるようです。

ある日、テスの上司は、他部署のボブ(ケビン・スペイシー)が新しいアシスタントを探しているので、テスに会うよう促します。以前にも似たようなことがあったため、テスは疑いながらも会いに行きます。ところがボブは車内で軽くドラッグを吸い、シャンパンを開け、ホテルに誘ってくるのです。彼が真剣にアシスタントを探していないことが明らかだったため、テスはすぐに車を降りてオフィスに戻ります。

反逆するために、テスは株価が表示されるボードにアホ上司の悪事を暴露して退職します。

理想の上司に出会えたと思ったら

次の仕事は、M&A会社アソシエイト、キャサリン・パーカー(シガニー・ウィーバー)のアシスタントでした。
キャサリンがオフィスに入ると、おしゃべりしていた女性たちは一斉に静かになります。怖い上司かと思いきや、キャサリンは「よいアイデアがあれば、いつでも出して」とテスに言います。テスは心を開き、自分が追っていたトラスク社のM&Aのアイデアを話してみます。「検討してみる」と軽く返答しながら、テスが部屋を出るとキャサリンはコンピュータで調査を始めるのです・・・。

テスは今回の上司を、自分の価値を認めてくれる尊敬できる存在だと熱心に話しますが、同棲中の彼氏ミック(アレック・ボールドウィン)はあまり共感しません。
彼はテスを愛していますが、彼の愛情はどちらかと言えば「寝ること」に近いものでした。実際、彼からの誕生日プレゼントはセクシーな下着で、明らかに自分のため。テスは「もっと外で身につけられるものがよかった」と少し残念そうです。いますよね・・・そういう人。パートナーが欲しいものを分かっていなくて、自分のことばかり考えている人。

キャサリンはスキー旅行の準備をしていて、同行する相手からプロポーズされるかもしれないと期待しています。そしてテスに「トラスク社のアイデアは検討したけれど、実現は難しそう」と伝え、それでもアイデアを出し続けるよう励まします。

ところがキャサリンはスキー中に足を骨折し入院することに。彼女不在の間、テスは雑務やキャサリンのアパートの管理も任されます。キャサリンの家に入ると、アンディ・ウォーホルのマリリン・モンローのような自画像が飾られ、シャンデリアのある豪邸で成功をうかがわせます。

テスが、キャサリンのテープレコーダーの口述録音を聞いていると、彼女がトラスク社の買収のアイデアを自分のものとして進めようとしていることを発見します。さらにコンピュータを確認すると、ジャック・トレイナーという人物にすでにメッセージを送っていました。

信用していた上司の行動にショックを受けたテスは、その日の夕方のクラスを休み帰宅します。するとそこには他の女性と関係を持っているミックが・・・。彼は説明や謝罪を試みますが、テスは家を出て行きます。

買収案を持ちかける

テスは「M&A部門でキャサリンと一緒に働いているテス・マクギル」と名乗り、ジャック・トレイナーとのミーティングを予約しました。さらに、ジャックの勤務先であるM&A会社が主催するパーティに、キャサリンの代理として出席し、あらかじめ挨拶をしておこうと考えます。アシスタントであることは伏せキャサリンの同僚としてふるまい、M&Aのアイデアを直接提案するつもりなのです。
テスはシンシアに髪を短く切ってもらい、キャサリンの服や靴を着て会場へ向かいます。80年代に流行ったボリュームたっぷりのソバージュをバッサリ切って、すっかり洗練された女性に変身する姿はとてもワクワクします。

バーで一人座っていたテスに、パーティに来ていたジャック・トレイナー(ハリソン・フォード)が声をかけてきます。彼はテスにひと目惚れしたようで、自分がジャック本人だとは名乗らず会話を続けました。二人は一緒にテキーラを飲み、帰りのタクシーでテスが酔いつぶれたため、ジャックは彼女を自分のアパートまで連れて帰ります。翌朝、テスは下着姿でジャックと同じベッドにいる状態で目を覚まし、一夜を共にしたと思い込みます。

その後、テスはジャックの勤務先を訪れ、彼が昨晩の男性だったことに驚きます。動揺を隠しつつ、トラスク社がテレビ局の買収を失敗した背景を踏まえ、代替案としてラジオ局の買収プランを説明しました。同席の同僚が、ラジオ局はテレビ局に比べ価値が低いと指摘しますが、テスは知名度のあるラジオ局を選び、余剰資金で自社株を買い戻すことでトラスク社の安定性を保てると説明します。

「コーヒーはいかがですか」と言われて、アシスタントの癖でテスは思わず立ち上がってしまいます笑。

オフィスに戻ったテスは、自分の提案は失敗だったと落ち込みます。昼休みだったのか、シンシアがテスのオフィスに来ています。そこへジャックがやってきてテスのアイデアを前向きに進めたいと伝えます。さらに、昨晩は何もなかったことを説明しました。帰り際、オフィスの女性たちは、ハンサムなジャックの姿を振り返ってみています笑。

シンシアは、テスが電話で自分のアシスタントを演じ、自分のオフィスがあるかのように振る舞っていることに不安を感じていました。しかしテスはすでに次の手を考えており、「トラスクの娘の結婚式に紛れ込めば、トラスク社長と話せるかもしれない」と、シンシアの不安など気にもとめていないのでシンシアは呆れてます。

冒頭ではシンシアとテスは似た濃いメイクでしたが、テスのメイクは少しずつナチュラルになっていきます。スタイルの良いテスはさまざまな服を着こなし、ベルト付きのオーバーサイズコートも素敵です。

テスが一人でトラスク社長に会いに行こうとすると、ジャックはプロジェクトのパートナーとして同行するといいます。しかし、当日会いに行くとその会場は社長の娘の結婚式で、二人とも招待されていませんでした。なんとか式に紛れ込んだ二人は、テスがトラスク氏と直接話す機会を得て、翌週の月曜日のミーティングを取りつけます。

ジャックはエリートビジネスマンで、テスがこれまで相手にしてきたセクハラ上司とは格が違いました。仕事ができてマナーもわきまえ、しかもハンサム笑。

月曜日のミーティングでは、出席者からテスの提案が一蹴されますが、トラスク氏の一本の電話で会談へと事態が動きます。

その夜、テスとジャックはベッドを共にします。テスは真実を打ち明けたいと思いながらも、ジャックがキャサリンとの関係を話し始めたため言い出せなくなります。ジャックはキャサリンとの旅行中に別れ話を切り出すつもりだったと明かしますが、キャサリンの骨折で話ができないままだといいます。

彼がキャサリンと付き合っていたにもかかわらず、彼女のオフィスを知らなかったのは、テスにとって幸いでしたね・・・。

ヘリコプターで帰ってくるキャサリン

合併の会議の日、キャサリンは予定より1週間早く、ヘリコプターで戻ってきました。
テスは間に合うように、キャサリンから借りた服をすべてクリーニングに出し、部屋の掃除も済ませました。キャサリンの家で彼女の身の回りの世話をしていると、キャサリンはコンピュータの画面を見ながらテスのアイデアをまだ進められないかといまだに考えており、ジャックが検討中だというのです。ジャックは過去にアイデアの盗用で痛い目にあっており、そうしたことには非常に神経質だと作り話をします。

ジャックを自宅に呼んでおり、ベッドの上でその準備をするキャサリン。テスはキャサリンの薬を買いに外へ出て戻ると、ジャックが到着していたので姿を隠して会話を聞いてしまいます。彼はキャサリンの誘いを断り、早々に出ていきました。ジャックが去ったのを確認してから、テスもキャサリンに薬を手渡し、同じく急いで部屋を出たものの、手帳を置き忘れてしまいます。

ふとノートを開いたキャサリンは、そこに今日の会議の予定やジャックとの約束のあれこれが書かれているのを見つけて憤慨。
テスのノートの書き方も日付の欄から大きく斜めにはみ出しているし、多分ジャックとの予定しか書いてないみたいで一目瞭然かと笑。

そして合併の会議中、キャサリンは松葉づえをつきながら鼻息荒く乗り込んできます。
彼女はテスが自分のアシスタントであることを明かし、療養中の間に自分の机やコンピュータから情報を盗み出し、それをあたかも自分のアイデアのように進めていたと非難します。キャサリンは席に着くと書類をよこせと言い、事態が悪化する前に発見できてよかったと言い放ちます。ジャックも驚いている様子。テスはキャサリンが嘘をつていると反論するものの、形勢は不利になり謝罪をして部屋から出ていくのです・・・。

おそらく翌日のオフィス。
テスは解雇されたようで、新しい勤務先や住居を探さなければならない状況にあり、同僚たちからは同情の目が向けられています。自分の荷物を持ってエレベーターを降りたとき、ちょうどキャサリン、ジャック、トラスク社およびメトロ社の社長たちが到着しました。

ジャックは「テスなしにはこの取引を進められない」と言い、エレベーターに乗ろうとするトラスク社の社長に彼女が正式なメンバーだと念を押します。キャサリンは「エレベーターに乗りなさい」と促しますが、ジャックは応じません。

ドアが閉まろうとしたとき、テスは「キャサリンに、この契約に関する懸念を話してもらってください」と告げます。トラスク社の社長は当然ながら「それは何か」と気になります。テスが提示したのは、トラスク社が買収を進めるメトロ社のラジオ番組のDJに関する新しい記事でした。そのDJが番組を離れる可能性があるというもので、テスはそれが買収に影響すると見ていました。キャサリンは鼻であしらいますが、ジャックは「そのDJが降板すれば、メトロの視聴率が落ちて買収のメリットも失われる」と指摘します。

トラスク社の社長はテスの話を聞くためにエレベーターを降り、別のエレベーターで、彼女がなぜトラスク社に関心を持ったのかを聞きながらオフィスへ上がりました。
一同がオフィスに着くと、スタッフの女性たちはいつものように興味津々でその様子を見守ります笑。社長がキャサリンに、なぜトラスク社に関心を持ったのかを尋ねると、彼女は答えに詰まりしどろもどろに。これにより彼女の嘘が明らかになります。

トラスク社の社長はテスに正式に同社での仕事をオファーし、テスは快諾しました。

翌日、テスはトラスク社に出社します。
会社のレイアウトはどこも似ているのか、アシスタントの席に荷物を置いて座っていると、上司のオフィスからアリスが出てきました。彼女は、その部屋がテスのオフィスで、アリスはアシスタントだといいます。

アリスは今後のスケジュールやコンピュータの使い方を説明し、テスの仕事の進め方について質問します。
テスは、自分のことは敬称はつけず名前で呼んでほしい、コーヒーはアリスの分を淹れるときのついでいい、カジュアルに言います。毛色の違うフレンドリーな上司にアリスは笑顔を見せるのです。

そしてテスは、自分のオフィスからシンシアに電話をかけるのでした。

テーマ曲「Let the River Run」が清々しく流れ、テスのオフィスからカメラがズームアウトし、ニューヨーク全体を見渡す景色に移り替わるラストは、とても爽快です。

おわりに

「Working Girl(ワーキング・ガール)」は、私が日本語字幕や吹き替えではなく、英語を直接聞く楽しさを知ったきっかけの洋画です。
90年代に個人的に英会話を教わっていたアメリカ人講師が勧めてくれました。

当時はVHSで(古い笑)、ビデオと一緒にスクリプトが載っている本ももらいました。私はその頃、金融会社勤務だったので、講師がそれを考慮してこの映画を選んでくれたのだと思います。初めて観たときにすぐ引き込まれ、その後も何度も繰り返し観ました。DVDが出たときには買い直したほどです笑。

ジャックが家に帰れず社内で着替えるシーンでは、彼がシャツを脱ぐと同僚の女性たちが拍手していました笑。

テスの親友を演じるジョーン・キューザックも魅力的で、彼女の鼻にかかった声がとても好きです。

さらに注目したいのがアレックス・ボールドウィンで、この頃の彼はスリムで危険な雰囲気が漂っています。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次