10年ほど前、知り合いのイギリス人から「英語学習におすすめ」と勧められて「Mind Your Language」のDVDを購入しました。当時楽しんで観た記憶がありますし、今でも十分面白いシットコムだと思います。でも、英語学習に使うには少し注意が必要かな?とも感じました。
イギリス人視点での楽しさと日本人視点の違い
「Mind Your Language」は、1977年から1979年にかけてイギリスで放送されたシットコムで、当然ながら、当時のイギリス人視聴者を主な対象として制作されました。
移民社会を背景に英語教室を舞台としたコメディであり、1970年代のイギリス社会における移民の増加や人種問題を反映し、ステレオタイプ(例:イタリア人の女好き、インドとパキスタンの対立、中国人の政治的発言など。あくまでも劇中のキャラクター描写に基づく)をユーモアとして扱っています。
ブラウン講師が話す標準的なイギリス英語と、生徒たちの「非」標準的な英語との対比がコメディの中心であり、これは当時の視聴者にとって分かりやすい笑いの要素でした。文法の誤りや発音のずれが笑いの種なので、英語を母語とする人にはその面白さが伝わります。しかし日本人が同じように楽しむには、あらかじめ文法や表現を知っていないと難しいかもしれません。
さらに、1970年代特有のスラングやコメディスタイルも多く含まれており、イギリス人にとっては文化的な背景があるからこそ気軽に楽しめるのです。したがってイギリス人が「英語学習におすすめ」と勧める場合でも、学習者の英語レベルに合わせた工夫が求められると思います。私にこのシットコムを勧めてくれたイギリス人が、私の英語レベルを正確に理解していたとは思えませんし、その方は自身の知識や経験を基に「面白い」と感じて勧めてくれたのだと思います(「英語の授業だから」というのもあるかも)。
つまり「英語が分かれば楽しめる」と感じたとしても、日本人学習者にはその「分かる」までの基礎が十分でない場合があり、イギリス人の視点での「楽しさ」をそのまま日本人に当てはめるのは難しいということですね。
英語学習に使うときには・・・
とはいえ、工夫次第で英語学習に生かせる部分もあると思います。
「Mind Your Language(へなちょこ英会話スクール)」でも触れましたが、YouTubeには「Mind Your Language」の映像があがっているので、それらを利用するのも良い方法だと思います。字幕を表示しながら台詞を確認できるので(完全なスクリプトではないものの)内容を追いやすいと思います。慣用句やイディオムの言い間違いも多く含まれているので、あらかじめそうした表現を学んでおくと理解しやすいでしょう。
英語を学ぶ人のレベルはそれぞれですなので、一つの目安として、初級者はブラウン講師やコートニー校長の標準的なイギリス英語を注意して聞いたり、生徒への質問に自分ならどう答えるかを考えたり、生徒の発言で理解できる部分だけを楽しむとよいと思います。中級者は、生徒がどのように間違っているのかを考察したり、各国の訛りの特徴を指摘できるかと。上級者はもうそのまま楽しんだらよいと思います笑。生徒の訛りや文化的背景、シドニーのコックニー訛りを掘り下げてみるのも面白いと思います。
おわりに
今、どこかの英語講師にこのシットコムを勧められたら、「どのようにお勧めですか?」と興味津々で質問してしまうかもしれません笑。




