「Addicted to Love(恋におぼれて)」は、1997年のアメリカのラブ・コメディ映画。
メグ・ライアン、マシュー・ブロデリック、ケリー・プレストン、チェッキー・カリョが出演しています。
90年代のメグ・ライアンはとにかくチャーミングで、大ファンでした。可憐でスレンダー、ボーイッシュでクールな表情が魅力的です。衣装やヘアスタイル、メイクなど、どの瞬間のメグも見飽きることがありません。
若いマシュー・ブロデリックとケリー・プレストンも必見です。ケリー・プレストンは今も美しいですが、この頃は透明感のある美しさが際立っていました。
オープニングタイトルは、天文台の望遠鏡からリンダをのぞく満ち足りたサム。若いですね!
(画像は引用目的で使用しています)

恋におぼれて(Addicted to love)あらすじ
サム(マシュー・ブロデリック)は若いながらも天才的な才能を持つ天文学者。星がよく見える田舎町で、幼なじみの美しい恋人リンダ(ケリー・プレストン)と幸せでした。サムの楽しみは、正午に天文台の望遠鏡からリンダの姿をのぞくこと。有能なサムを同僚たちも理解しており、この習慣については良しとしているところがありました。太陽の下で教え子たちとのびのびと過ごすリンダは、輝いて見えます。
ところが、リンダは教員としてのキャリアアップのため、ニューヨークに2か月滞在すると言い出します。
「私にここにいてほしいなら、そう言ってよ」とリンダが言うと、
サムは「Stay.(ここにいて)」と答えます。
しかし次の瞬間、リンダが飛行機の窓から手を振っている姿が・・・笑。
もちろんリンダの帰りを待ちわびていたサム。しかし、彼女が戻るはずの日にリンダの父がやってきて、リンダからの手紙を読み上げます。リンダはもう戻らないというのです。サムは、リンダの父が手紙を読み終えるのを待たずにすぐにニューヨークへ向かうのでした。
リンダの観察が始まる
突然の別れを受け入れられないサムは、リンダを取り戻すためにニューヨークへ向かいます。ニューヨークのフラットアイロンビルが象徴的です。
サムがそこで知ったのは、リンダが新しい恋人でフレンチ・レストランのオーナー、アントン(チェッキー・カリョ)と一緒に生活しているという事実。サムは自分の町へは戻らず、リンダの住む建物の向かいにある廃墟に滞在し、彼女の観察(もしくは観測?)を始めます。
サムの天文学者としてのスキルが役立ちます。彼はすぐに、カメラ・オブスキュラをすぐに組み立て、リンダたちのアパートメントの様子を細かく記録します。彼女の笑顔のパターンもすでに調査済み。さらに、廃墟の壁を白く塗り、アパートメントの映像を投影して鮮明に見えるように工夫します。
でも、これって「ストーカー行為」ですよね・・・。この映画が公開された1997年当時は「ストーカー」という概念がまだ広く認識されていなかったのかもしれません。
ある夜、リンダの部屋の明かりが消えたとき、ヘルメットをかぶった人物がリンダのアパートメントに忍び込んでいるのにサムは気づきます。そしてその人物は廃墟から見ていたサムに気づき、廃墟へ乗り込んできます。
手を組む二人
ここでようやく登場するのが、マギー(メグ・ライアン)。
それは、リンダのアパート前をバイクでうろついていた人物で、サムもその存在に気づいていました。窓を割って荒々しく侵入してきたヘルメット姿に驚くサムでしたが、ヘルメットの下はショートカットの可愛らしいメグ・ライアン笑。マギーはアントンの元婚約者で写真家、そして、アントンに仕返ししたいと言います(多分取り戻したいのかも)。
そんなマギーにサムは、「今夜、二人は別れる」と予測します。サムは、自分は天文学者であり、リンダとアントンの行動を詳細に観察・記録してきたと誇らしげに語ります。キス、ハグ、笑顔、喧嘩など、あらゆる出来事をデータとして蓄積しており、その分析から「今夜、二人は別れる」と断言。リンダを迎えに行くつもりだとマギーに言います。
しかしマギーは、そんなデータは虚しいだけだと冷たく突き放し、サムの話にも取り合いません。そして盗聴器を組み立て、リンダたちの会話を聞きはじめます。
サムが「彼女の声を聴きたい」と頼み、マギーは「やめておいた方がいい」と助言します。なぜなら、その音声を聞いてサムはショックを受けたから・・・笑。
サムの予測に反して、アントンとリンダは別れるどころかさらに盛り上がっている様子。サムは、二人の仲を邪魔するためにマギーと手を組むことを提案します。
ブラックユーモアな仕掛け
サムとマギーは、次々と仕掛けを行いますが、主なターゲットはアントンの方。ぶつかったふりで口論をふっかけて殴り、その隙にマギーが彼の財布からカードを盗みます。また、リンダがアントンの浮気を疑うよう、二人はストリートパフォーマーに金を払い、口紅をつけた猿をアントンに絡ませたりもします。
サムはアントンのレストランで皿洗いの仕事を始めたりもします。サムが担当する山積みの皿は、普通のレストランでそこまで汚れないだろうというぐらいの汚れ具合笑。
ある日には、子どもたちに金を渡して水鉄砲を持たせ、公園を歩くアントンに女性用の香水を吹きかけさせます。さらに、アントンたちの不在中にアパートメントに忍び込み、女性の下着や高額な買い物のレシートを部屋のあちこちに忍ばせます。マギーが自分の持ち物を回収している間、リンダの洋服や化粧品、ボディタオルの匂いを嗅いで、ただリンダを感じていただけのサム笑。
マギーがリンダのワンピースを着てみると、サムは思わずリンダと重ねて見てしまい、二人はベッドに倒れ込みます。誰か帰ってきやしないかとハラハラします笑。
そして極めつけの仕掛けにより、アントンのレストランは閉鎖することに。
レストランに料理評論家が訪れたので、アントンはすべてを完璧にするようスタッフ全員に指示します。なんとサムは廃墟で集めていたゴキブリをレストランに放ってしまうのです・・・。最初はなんとか隠そうとするアントンですが、数は1匹では済まず・・・。騒然とする中、サムだけが一人平然と皿洗いを続けます。
空っぽになるアントン
その頃、マギーの祖母が二人が潜伏する廃墟を訪ねてきました。廃墟なのに住んでいる環境についてあれこれ言わない祖母笑。
祖母はサムをアントンと勘違いし、二人の写真を撮りたいとキスをするよう促します。祖母のためにキスをする二人にあの出来事のときの感情がよみがえります(お約束ですねー)。祖母が帰るとき、「廃墟でソープオペラがラジオで流れていたわ」と話します。それはもちろん盗聴器からのアントンたちの声であり、祖母によると、そのソープに登場するカップルは口論中で、フランス人男性が浮気を責められていたといいます。
急いで廃墟に戻った二人がアントンたちの様子を見ると、そこにまたしてもリンダの父が現れ笑、彼女の別れの手紙を読み上げます。マギーはサムにリンダのところへ行くよう助言するものの、二人の間にはぎこちない空気が漂うんですね・・・。
サムがリンダが滞在していたホテルに行くと、アントンがドアマンに追い返されていました。アントンはサムを見つけ、あの混乱したレストランでサムがひとり冷静に働いていたことを褒め讃えます。真犯人はサムだったのに・・・。
心が空っぽになったアントンはサムを自分のアパートメントに招き、高価なワインを次々と開けて引き止めます。気まずさにいたたまれず早く帰りたいサムと、その様子を廃墟から見ているマギー。「頭の中はいつもリンダのことばかりだ」とアントンは打ち明けます。
サムはようやくリンダと再会しますが、彼女は舌ピアスや喫煙をしたりで、サムが思っていた彼女とは少し違って見えます。
さらにマギーがアントンのクレジットカードを使って散財したため、アントンの持ち物が差し押さえられてしまいます。加えて、マギーが仕掛けたイチゴのカビでアントンはアレルギー反応を起こし、顔が悲惨な状態に・・・。追い打ちをかけるようにサムが突き飛ばしたせいで、アントンは上半身にギプスを巻かれ、動くことさえままならなくなります。
すっかり壊れてしまったアントン・・・。
だんだんだんだん可愛そうに思えてきます。
ネタバレしない方がいいかと思いますのでここまでで・・・。
おわりに
天文学者のサムと写真家のマギーは相性がいいと思います。
二人が身を潜めていたのは確かに廃墟ですが、レトロなドアや室内のガラス窓、螺旋階段などから、かつては素敵な建物だったことがうかがえます。二人は屋上に水を引いてシャワー施設まで設けてしまいます。
昔観たときは気味の悪い廃墟だと思いましたが、年月を経て改めて観てみると印象が変わるのが不思議です。この廃墟に同じように誰かが侵入してこなくてよかったです笑。
とにかく、若かりし頃のメグ・ライアンは本当にチャーミング。「シティ・オブ・エンジェル」のような真面目な作品も良いのですが、彼女はやはりラブ・コメディでこそ輝くと思います。
英語のリスニングのために、インターネットが普及し始めた90年代後半、アメリカのアマゾンから「Addiceted Love」を含めてDVDを何枚か取り寄せました。リージョン1でしたが、当時使用していた「DELL」のラップトップで問題なく再生できました。
