「こちらはMicrosoft Windowsサポートです。あなたはWindowsを使っていますか?」
そんな電話が、インド訛りの男性からかかってきました。
イギリスでは、インドに業務をアウトソーシングしている企業が多くあるので、インド訛りのオペレーターというのは珍しくはありません。
でも、Microsoftから直接電話がかかってくるなんておかしいですよね?
Microsoft Windowsのサポートセンター?
銀行やWi-Fi、電力会社などに問い合わせをしたいとき、サポートセンターに電話をかけたりしますが、こうした電話窓口で対応しているのはインド訛りのオペレーターであることが少なくありません。
最近ではチャットによる問い合わせも主流になってきており、対応してくれるオペレーターの名前を見ると「おそらくこの方はインドの人かな」と思うことが多く、もはや特に驚くことではなくなりました。むしろ、彼らは丁寧に対応してくれることがあります。
問題は電話のほうです。正直、インド訛りの英語は電話だとなかなか聞き取りにくいため、頭と耳をフル回転させて集中する必要あります笑。スコットランド訛りのオペレーターも、場合によっては聞き取りづらかったりしますが・・・。イギリス人の夫でさえ「何を言っているのか分からん」ということがよくあります笑。
そんな経緯から、電話がかかってきて「インド訛りのオペレーターか」と最初は思いました。
でも、ですよ?
大大大企業Microsoftの「Windows」のサポートセンターから、いきなり電話がかかってくるなんて普通はありませんよね?
「こちらはMicrosoft Windowsサポートです。あなたはWindowsを使っていますか?」
一瞬、違和感を覚えましたが、興味もあったので、
「ええ、使っていますよ。」と答えてみました。すると、相手はこう続けました。
「あなたのシステムに不具合がある、というデータがこちらのセンターで確認されています。そのため、これからお伝えするコードを、あなたのコンピューターで入力して実行してください」
ただただ、怪しいですよね笑?
その「コード」というのはどんなものなのか?興味本位で聞き続けてみました。
「『Run(ファイル名を指定して実行)』を開いて、『○○○.exe』と入力して実行してください」
だって笑!
何かのScam(詐欺)だろうなぁーと思ったので、とりあえずフレンドリーに返してみます。
「えーっと、すみません。私はあなたのこと知りませんし、突然、こんな風に電話をもらって『はいそうですか』って『実行ファイル』を入力するようなことはできませんけど?」
食い下がる偽サポートセンター
そうするとそのインド人は「でも、あなたのWindowsにはエラーが発生していることが、こちらではっきり確認できているんですよ。本当にこのままでいいんですか? コンピューターが壊れても構わないんですか? あなたの大切なデータは守らなくてもいいんですか?」
まるで「あなたのためを思って連絡している」とでも言いたげな口調です。
私:「私のコンピューターは今のところ何の問題もありません。それに、こうして突然かかってきた電話で、実行ファイルをタイプしろなんて言われるのはかなり不快です。あなた、本当にWindowsのサポートなんですか?」と聞くと、
「正真正銘のウインドウズのサポートセンターです。なんなら電話番号を教えます。○○○-○○○○ですよ。」と慣れた感じで電話番号を知らせてきます。電話番号になんて意味はありません。すぐに作れますから。
私:「なるほど、そうですか。でも、私は95年からWindowsを使ってきて、これまでコンピューターの不調はすべて自分で何とかしてきましたので結構です。」
やんわり断っているのに、
「あなたは私の時間を無駄にしていますよ?!」と、せっかく親切にサポートしてあげているのに、どうして聞いてくれないのか、とでも言いたな様子。
私:「だから、訳の分からない実行ファイルなんて実行したらコンピュータがおかしくなるかもしれないでしょって言ってるんですよ!」
と、少しきつめの口調で言ったら、
「OK. Good-bye!!」
と、「ガチャン」と切られました。
やっぱりねー。
ちなみに、イギリスでは契約内容にもよりますが「1471」とダイヤルすると、直前にかかってきた電話番号を確認することができます。非通知設定になっていて表示されない場合もありますが、今回は番号が表示されました。
その番号をネットで検索してみると、やはり「この番号から怪しい電話がかかってきた」という報告がいくつも見つかりました。
彼らの狙いは、見知らぬ相手に怪しい実行ファイルを入力・実行させて、意図的にシステムを不調にされて「こちらで修理しますよ」と言って法外な修理代を請求するという手口のようです。
でしょうねー。
おわりに
後日、また電話がかかってきました。今度は私の夫が電話を取ってしまって笑。
そのとき私はその近くにいて、夫の電話に応える内容を聞いていると「またあいつらだ」というような内容です。「はい、Windowsを使ってます」とか答えてるし。
なので、横から口を出して夫の電話を切らせました。詐欺から救ってあげたのに、なぜか私にイラっとしている夫笑。
夫:「もしかしたら本当にWindowsからかもしれないよ?」
だって(溜息)。この前見つけたネットの情報を見せて納得させました。
コンピューターに慣れていない人や、お年寄り、そして騙されやすいうちの夫のようなタイプが、こういう詐欺に引っかかってしまうんでしょうねー。