スーパーに行くと、洗剤の陳列棚に「Rinse Aid(リンスエイド)」が並んでいるのを見かけます。これは何だろうと思ったことはありませんか
私も以前は、何となく目に入るだけで特に気にも留めていませんでした。でも、数年前から「食洗機」を使い始めたことで、この「リンスエイド」の存在を意識するようになりました。
リンスエイドとは?
日本では「食洗機」と呼ばれていますが、英語では「Dishwasher」。直訳すると「食器洗い機」になるため、この方が「食洗機」よりも分かりやすくて言いやすいのではと思ってしまいます。
「リンスエイド」は、その「食洗機」で使用する仕上げ剤です。
食洗機の扉を開けると、洗剤(タブレットや粉末)とリンスエイドを入れるディスペンサーがあります。ちなみに、本体の底には「ソルト」を入れる専用のコンパートメントも設けられています。
リンスエイドは、食洗機内の専用投入口のキャップを開けて液体を注ぎます。一度満タンにしておけば数回分使用でき、残量が少なくなると扉のランプが知らせてくれます(機種にもよると思いますが)。
リンスエイドは、最後のすすぎのサイクルで放出されます。
なぜリンスエイドが使われるのか?
リンスエイドを使うことで、食器やグラスの水滴の跡やくもりを防ぎ、よりきれいに乾かし、また、乾燥時間の短縮にもつながるとされています。
リンスエイドの使用が特に奨励されるのは水の硬度が高い地域とのこと。
カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分を多く含む硬水で、そのような地域では食器やグラスに白い水滴跡(スケール)が残ったり、くもりが出やすい傾向があるそうです。
しかし、我が家では「All in One」のタブレットだけを使っており、リンスエイドは使っていません。タブレットのパッケージには「All in One」と記載されており、リンスエイド成分も含まれているとのことです。そのためリンスエイドは不要と判断しています。普通に熱めのお湯ですすいだらピカピカになると思うのですが・・・。
そのため、我が家の食洗機は「リンスエイドのコンパートメントが空」であることを知らせるランプがいつも点灯しています。
(追記:「All in One」タイプの食洗機用タブレットには、洗剤・リンスエイド・水垢防止剤などが一体化されており、基本的にリンスエイドを追加しなくても問題ない設計とのこと。ただし、水の硬度が高い地域ではリンスエイドを追加した方が仕上がりが良くなるといいます。一部の機種には「リンスエイドの量を調整できる設定」もあるそうです。)
食洗機用の「塩、ソルト」
本体の底辺部分には「食洗機用ソルト(Dishwasher salt)」を入れる場所があります。
「Dishwasher salt」も、スーパーマーケットでは食洗機用洗剤が置かれている棚にあり、たいてい下の段に並んでいます。
食洗機用ソルトの使用は、水の硬度が高い地域で特に重要とのことです。食洗機用ソルトは、硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムが、食器や食洗機内部の乾燥時に白い水垢(スケール)として残るのを防ぐために使われます。
多くの食洗機には、水を軟化させるための「イオン交換装置」が内蔵されていて、このソルトは、イオン交換樹脂をリフレッシュさせ、硬度成分を効果的に除去し続ける働きをします。ソルトが不足すると軟水化の機能が低下し、その結果として洗浄力の低下や水垢の発生につながることがあります。軟水で洗うことで、洗剤やリンスエイドの効果が最大限に発揮されるということですね。
軟水地域でも、ソルトの使用を前提に設計された食洗機の場合は、少量であっても常に入れておくことが望ましいとされています。
イギリスの水の硬度
イギリスでは、南部が「硬水」、北部、スコットランド、ウェールズでは「軟水」とされています。
地域によって水の硬度は異なるため、詳しくは水道会社や郵便番号などで確認できます。
南東部・東部(ロンドン、ケンブリッジ、ノリッジなど):硬水〜非常に硬水
中部(バーミンガム、レスターなど):中程度〜硬水
南西部(ブリストル、ドーセットなど):硬水〜非常に硬水
北西部(ランカシャー、カンブリアなど):軟水〜中程度
北東部(ノーサンバーランド、ヨークシャー北部):中程度〜硬水
スコットランド、ウェールズ、北アイルランド:主に軟水〜中程度(スコットランドの湖や川由来の水は軟水とされています)
以前、私が住んでいたところで水道業者に修理をしてもらったとき、「この辺りではソルトを入れなくても大丈夫」と言われました。その地域は、上のリストでいうと「中程度〜硬水」でしたが、食洗機が故障すると面倒なので念のためソルトだけは入れていました。
今住んでいるところでは、ケトルや浄水器につくスケールの量が以前より多いように感じるため、食洗機ソルトは欠かせません。リンスエイドは必要に応じて使っています。
ソルトは、扉のランプで補充のタイミングを知らせてくれます。前の家では、ランプが2〜3日点灯しても放置していましたが、今では点いたらすぐに補充するようにしています。量は適当です。
おわりに
リンスエイドを使うときには、「Ecover」のリンスエイドを選んでいます。
イギリスでは、食器洗いのときに泡をすすがないことがあり、その理由の一つに「洗剤には殺菌効果があり、食器をコーティングしてくれる」と信じている人もいるようです。そのため、これは個人的な感覚なのですが、食器に何らかの成分が残るのであれば、せめて少しでも安心できる「Ecover」のようなブランドを使いたいのです。
いずれにしても、食洗機は手洗いでは届かない部分まできれいにしてくれるので、とても重宝しています。